不妊治療は女性の生理周期を基本として治療が行われますが、カップルの年齢や不妊原因によって治療内容は違います。

お二人でスムーズに治療をすすめるために、看護師から治療時期ごとの情報とメッセージがあります。

準備期間

男女ともに感染症検査や染色体検査があります。女性はホルモン値の検査やゾンデ診、男性は精液検査などがあります。医療費は保険診療と自費があります。

  • 治療スケジュールや薬剤の効果について不明な点や質問がある場合は、医療者に確認しましょう。
  • 仕事や予定のスケジュールを調整しましょう。
  • 治療のスケジュールと薬の種類をパートナーと一緒に確認しましょう。

男女ともに生殖機能を保つために、禁煙または喫煙本数を減らすことは効果的です。

治療時期

妊娠の確立を高めるために、卵巣を内服や注射による薬剤で刺激して、複数の卵子が採取できるように、卵胞(卵子の入った袋)の成長を促したり、排卵を促したりする方法です。

  1. 治療開始~採卵まで(排卵誘発剤の内服や注射)
    • ホルモン剤を使用すると、人により副作用として注射部位が赤く腫れる、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こす、吐き気や頭痛などの影響があるかもしれません。
    • 女性は連日の注射で身体的にも精神的にもつらくなる時期です。
      体調変化は「頭が痛いから先に寝るね」と、言葉で伝えて理解を得ましょう。
    • 体調の変化を理解されると女性はうれしいです。「気分は大丈夫?」「辛かったら言って」などと気にかけるとよいでしょう。
    • 通院の大変さを気遣う声をかけ、通院の出来事を聞いて、パートナーを支えましょう。
  2. 採卵と採精~受精の確認まで
  3. 女性の卵胞の大きさを超音波で確認して受精にベストなタイミングで採卵を実施します。卵子の採取は通常2日前に決定するケースが多いです。
    残念ながら採卵後にすべての卵子が受精するとは限らず、受精卵もすべてが順調に細胞分裂するとは限りません。

    • 採卵日が決定した時点でパートナーにスケジュールを伝えましょう。受精卵を戻す予定の日程も伝えましょう。
    • 男性にとって精液採取のためにお仕事の都合をつけるのは難しい場合もあります。「一緒に病院に来てくれて嬉しい」と伝えると、男性も気分がよいかもしれません。
    • 採卵の当日に病院での精液採取が必要です。仕事の調整が必要になり、精液所見に問題がなければ1~2時間後には帰れます。
    • 自宅で採取または冷凍保存した精液の使用も対応できる場合がありますので事前にご相談ください。
    • 遠方の方で病院の近くの宿泊施設をお探しの場合は、看護師にご相談ください。
    • 女性にとって採卵は疲労を伴うため、終わった後に「頑張ったね」などの一言があってもよいかもしれません。
  4. 受精の確認~妊娠判定まで
  5. 採卵翌日に受精確認の電話があります。受精卵の状態により、採卵2~6日後に胚移植(受精卵を子宮内に戻す)になります。 女性だけでの来院で可能ですが、ご希望があれば男子も一緒に胚移植の部屋に入ることができます。
    肺移植後約2週間、妊娠判定までの期間は超音波検査やホルモン値チェック、黄体ホルモンの注射や膣座薬の使用などがあり、通院は続きます。期待と不安が入り混じった気持ちになる方が多いです。

    • 胚移植後約2週間、妊娠判定までの期間は超音波検査やホルモン値チェック、黄体ホルモンの注射や膣坐薬の使用などがあり、通院は続きます。
    • 日常生活に制限はなく、普通に過ごせます。通院と治療は続きますので、疲れているときは家事を休みましょう。
    • 胚移植(受精卵を子宮内に戻す)は、女性だけの来院で可能ですが、希望があれば男性も一緒に胚移植の部屋に入ることができます。
    • この時期の女性は治療がスムーズにいくか(着床するか)不安を抱えているので、できるだけ気持ちに寄り添って話を聴き、通院の大変さを認めて「今日も大変だったね」などと、声をかけるとよいでしょう。