不妊治療に取り組んだカップルは、少なからずストレスを感じています。
妊娠までにかかる期間や治療法によって程度の違いはありますが、連日の通院や注射・内服などの薬剤投与で、ストレスを感じるのは自然な反応だと言えます。

治療期間が長期化すると不妊治療に対するストレスは想像以上に大きくなるものです。そのことをカップルでしっかり話し合って、二人のパートナーシップがよい状態で取り組みましょう。
治療の長期化により、男女ともストレスが増えると言われています。
- 体外受精中は男女ともに何らかの精神的な影響があり、男性の10%、女性の30%は気分障害、抑うつ、不安障害がある
(Volgsten et al.,2008) - ストレスや抑うつ状態が悪化
(Drosdzol et al., 2009) - 精神的な苦悩の増加、QOL(生活の質)の低下
(Schanz S et al., 2005) - カップルの関係が悪化
(Peterson et al.,2011;Drosdzol et al., 2009)
ストレスの男女差
不妊治療は女性中心の治療であるため、女性がより大きなストレスを受ける場合が多いです。男性のストレスとしては検査や精液提出がありますが、女性は検査や診察、多くのケースでは毎日の注射もあり、通院回数も多くなります。実際に流産するのも女性ですし、女性の方がプレッシャーを感じるのが強い傾向にあります。
不妊治療中の気持ちには男女差があると言われ、次の報告があります。
- 治療による精神的な苦痛(不安・抑うつ・ストレス)は男性より女性が大きい
(Schanz et al., 2011;Schmidt, L et al., 2005;Beutel et al.,1999;Berg et al.,1991 ) - 不妊原因が自分にある男性は女性と同じくらい落ち込む
(Nachigal et al.,1992) - 女性はパートナーのサポートがあるとストレスが少ない
(Matsubayashi et al.,2004) - 治療中のストレスは男性より女性が高く、ストレスの多いカップルほど妊娠までの期間が長引く
(Boivin et al.,2004)
ストレスは男女差がありその大きさはパートナーのサポートにより変化します。